ドライフィルムとは

固体潤滑剤配合の乾燥潤滑被膜

ドライフィルムの特徴

固体潤滑剤を樹脂に配合した塗料で、自己摩滅型のドライ被膜を形成

  • 樹脂(バインダー)

    摺動面に固体潤滑剤を定着。
    (ポリアミドイミド樹脂・エポキシ樹脂・アクリル系樹脂他)

  • 固体潤滑剤

    二硫化モリブデン・PTFE・グラファイト 他

  • 各種添加剤

    潤滑効果以外の付加機能に応じて使用。
    (防錆剤・フィラー他)

  • 基溶剤

    バインダーや加工方法、環境等に応じて使用。
    (酢酸エチル・キシレン・MEK・NMP・DMF 等)

オイル潤滑との比較

耐熱・耐荷重性に優れるドライ被膜は、オイルでは防げない摩耗も防止

タイプ オイル潤滑 ドライフィルム
潤滑機構
  • 摩擦面にオイルを媒介させ、摩擦面同士の接触割合を下げる(流体潤滑)
    ※媒介 … 両者の仲立ちをする事
  • 摩擦面にせん断力の低い被膜を形成し、摩擦面自体のせん断力を下げる
    ※せん断力 … 平向方向にすべらせるように作用する力
冷却効果 優れる 乏しい
耐荷重性 流体のため乏しい 固体潤滑剤の種類により摩擦面素材の降伏応力を超える耐荷重性を有する被膜も形成可能
耐熱性 200〜250℃が限界 配合成分により300〜500℃ぐらいまで潤滑性を維持
真空環境 オイルの蒸発が懸念される 固体であるため蒸発もなく潤滑が可能

代表的な固体潤滑剤の特性

※各数値は一般的な目安となる値で保証値ではありません

名称 二硫化モリブテン(MoS2 ) グラファイト(C) PTFE
密度 4.8g/㎤ 2.2g/㎤ 2.2g/㎤
摩擦係数 0.04 0.06 0.04
耐荷重性 784MPa 490MPa 196MPa
耐熱性 350℃ 550℃ 300℃
説明 層状の結晶構造がせん断されることで低摩擦性を発揮する固体。特に高荷重下の摩擦/摩耗低減に効果があり、真空中でも優れた潤滑性を発揮。 層状の結晶構造がせん断されることで低摩擦性を発揮する固体。導電性/熱伝導性に富み、特に高温下での潤滑性に優れる。 低摩擦/非粘着性を有するフッ素化合物。
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